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スタッフ:北田さんが小さい頃、ヴァイオリンをやり始めたきっかけは覚えてますか?
北田:私が2、3歳の時に、祖母の友人でヴァイオリンの先生をされていた方がクリスマスプレゼントに一番小さい1/16のヴァイオリンを贈ってくださったので、始めることにしました。音楽が好きな家族ではありますが本職でやっている人はいないので、思いがけず…
スタッフ:北田さんの地元は広島だとお聞きしたのですが、桐朋の音高に入るってなった時、ご家族と一緒に東京に来たのでしょうか?
北田:高校は母と下の兄弟も一緒に上京して3年間はみんなに協力してもらいました。元々転勤族で東京に住んでいる時期もあって、その時から桐朋の子供のための音楽教室には行っていたので馴染みはありました。
スタッフ:2歳から音高入るまでヴァイオリンを辞めなかったというのは、それだけヴァイオリンの魅力を感じていたということですか?
北田:結局音楽が好きだったということは大きいと思います。練習が嫌でも、誰かの演奏を聴いて感動したり、音楽の素晴らしさを教えてくれる人たちが身近にたくさんいたこともあって、辞めたいと思ってもまたすぐ引き戻されて弾きたくなるというのがこれまで何回もありました。中学3年生の時に学生音コンを受けて賞を頂けたので、それもきっかけになり音高行こうと思って。
スタッフ:究極的な質問なんですが、お二人にとって「音楽」や「音楽をする」ということはどのようなことですか?
長:言葉がついてるものじゃないから、音楽は世界共通と言われることがあると思うのですが、本当にその通りだと思って。例えば、全然知らない国だったりしても、例えばシューマンのソナタを聞いた時に何か感じるものはきっとあると思うし、そこで共感できるっていうこともあると思います。音楽は演奏者と聞き手とのコミュニケーションでもあるな、と思っていて。だから寄り添ってあげる感じの千尋ちゃんの演奏が魅力的だなって感じるんですけど、「音楽をやる」ということに関しては、まだまだ人生をかけて探していかなきゃいけない大きな課題のように感じています。でもどのように探求していくかは、常に自分に問いかけていかなければいけないことだとも思います。
北田:他者と向き合うことであって、自分と向き合うことでもあるなと思っています。私自身がヴァイオリンを通してたくさんの人に出会って、人生の色んなことを学んで考える機会に恵まれているので、切り離すことのできない存在です。他者というと作曲家や、作曲家の遺した作品からメッセージを読み取ったり、またそれをお客さんに伝えるということもあるし、それを通して自分が考えてることを投影していくには自分自身ともより深く向き合わないといけないし。音楽とは一生を通して向き合うべきものだと考えています。
(2022年7月11日、千代田区にて収録)
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